たとえば二度と会えなくても

自担の次の現場が始まる前に、まだズルズルとブイの20周年コンサートの話をするおばけですこんにちは。
だってWOWOWの放送も終わって一旦熱も落ち着いたと思ったのに、最高に画質のいいBlu-rayを見てしまったから。


今回はこの中からアンコールの最後の最後に歌っていたHELLOという曲の話がしたくて久しぶりにブログを開きました。
この曲です。 
HELLO - V6 - 歌詞 : 歌ネット

もともとアンコールの曲としてはMADE IN JAPANからのChange the worldっていう流れと、ダブルアンコールにBEAT YOUR HEARTっていうのは固定だったような気がするんですけど、それ以降は割と流動的でその場その場によって歌う曲が微妙に違っていたんですよね。で、確かHELLOはオーラスだけじゃなくて大阪でも歌っていました。

この曲って、例えばミュージック・ライフみたいにめちゃくちゃハッピーで多幸感に溢れているわけでもないし、愛のMelodyみたいにザ・アイドル曲!ってわけでもなく、ROCK YOUR SOULみたいにガツガツのかっこいいダンス曲ってわけでもなけりゃ、WAになっておどろうみたいにみんなで盛り上がろう!っていう曲でもないんですよね。この曲自体はSUPER VERY BESTのHMV・ロッピー盤っていう限定盤にのみ収録されていた曲なんですけど、正直初めて聞いたときは「…ちょっと地味では…?」って思ったくらいだし。
そんな曲がアンコールで歌われているわけですよ。これを聞いてハッピームードが加速することもそんなになければ、みんなで踊って超楽しい!!!みたいなことにもならなくて、「アンコールで歌うにはやっぱちょっと地味では…!?!?」って思ったりもしていたんです。…あ、めちゃくちゃdisってるみたいになってるけど、別にそんなつもりではないです。ただ、自分の好みがハイパー躁っていうのと、アンコールはハッピーソングだろっていう思い込みがあったっていうだけで、「地味では…?」って思ったけど「まあこれもアニバーサリーソングのひとつだし、こういうアンコールもアリか~」とも思っていたし。


前置きが長くなりましたが、最高に画質のいいBlu-rayと初回限定盤の特典映像を見ていたらその意識がガラッと変わりましたよ!っていう話がしたかった。
まずは初回Aに収録されているツアードキュメンタリーを見たとき。上で触れた大阪公演のトリプルアンコールで歌われたHELLOの映像が収録されていたんですよね。ステージ上にハンディカメラを持ち込んだ岡田によって撮影された映像として。このときのカメラの視点(つまり岡田の視点)がメインステージから縦花道を通ってバックステージ側に移動するメンバーの一番後ろにいる状態で。つまり目の前に5人の背中。それを覆い尽くすファンと歓声と眩しいほどに明るい照明。その中で響くHELLOを聞いたら「うわあ…なんかいいな…」って突然幸せな尊さみたいなものがブワッとこみ上げてきて。自分がその場に実際にいたときにはそんな風には全然思わなかったのに。映像を通して見たらなんかすごくよかった。この、観客とアイドルの構図も、岡田から見る5人っていう構図も。もともとこの曲にはある種のノスタルジーがあるなあとは思っていたんですが、岡田が歩きながら録ったせいですこしブレた視界とか、たくさんの照明で霞んだ空気とか、そういうのがノスタルジックさを加速させていて。

それから、この曲には切なさとか儚さとかそういう類のものも感じるなあと思っていたのですが、岡田の視点からの他のメンバーの背中との距離を見て「あ~これかもな~」とも思った。自分でもうまく言葉にできないんだけど、メンバー同士であれ、メンバーとファンであれ、結局別の人間なんだから互いの距離をゼロにするなんて不可能で、でもそれは嘆いたり悲観すべきことではなくて、それでもこうやって幸せに楽しくいられるんだから結局これはこれでいいっていうことんだよなあっていう。距離は確かにあるけど、それは絶望すべきことじゃないんだなあって。

メンバーとファン、という視点でいえば、わたしがこの曲を「さびしい」と感じてしまっていたのは、どうしても「V6がなくなってしまった世界の自分」とか「V6を好きじゃなくなってしまった自分」というのを考えてしまったからというのもあると思うんです。だって歌詞に「たとえば二度と会えなくても」「たとえば二度と話せなくても」という言葉があるから。でもきっといつかは必ず「V6がなくなってしまった世界」か「V6を好きじゃなくなってしまった自分」のどちらかは訪れるんだよなあ…なんとも刹那な趣味である…。そんな曲をアニバーサリーツアーのオーラスのダブルアンコ、しかもリボンシャワーのサプライズの後に歌われるって、その環境は本当にずるい。切なさに拍車をかけるかと思いきや、切なく儚いからこそ優しくて温かく聞こえるんだもん。

そんなさりげない優しさとかだめだよ泣いちゃう、って思っていたら後日健くんのラジオでこのような話がありました。

僕は初めてこのデモテープを聞いたときに、歌詞を歌とともに聞いていて、これ多分誰か大切な人がなくなってるんだろうなって思ったらそうで、スタッフは最初そんなことは無いと思いますけどねってみたいな感じだったの、知らなくて、どういう思いでこの曲を作っていたのかっていうのを、だから多分そうだよって言ってて、そしたらちょっと詳しく知りたいから聞いてもらいたいんだけどって聞いてもらったら、バンド仲間の方が以前亡くなられて、その方に向けて、その当時書いた楽曲だそうで、ソレを僕らV6に提供していただいたんですけど、僕としては凄く大事に大事にこの曲を歌いたいなと思っていて、だから凄く僕にとっても思い入れのある楽曲ですね。
ラヂオの日記: 2016年3月7日のラヂオ

ハイ、もうだめ!!!!この曲もあの空気も全部宝物のように大切!!!大好き!!!!