銀河英雄伝説 第四章 後篇 激突

野澤くんの(というかぬんぼの)初めての外部舞台で思ったこと。


もともとSFが苦手でカタカナも苦手で戦争モノっていうのもなんとなく苦手だったから、「ぬんぼが銀英に出るよ!」って言われても正直単純に嬉しい!とは喜べませんでした。しかも今回が銀英舞台のラストだっていうし、そんな大事なクライマックスにポンッと参加するだなんてきっとものすごいプレッシャーだろうし大変だろうな…って思うと気持ちも暗くなってしまって。でも、見に行かないなんて選択肢はないし、そしたらわたしも最終章にだけポンッと見に行くヲタクなんだからちゃんと予習しないとなあ…と初日の約1ヶ月前から原作の小説を読み始めました。今回はタイトルにも「後篇」ってあるくらいだから、なおさら予備知識を入れとかないとなーって。
銀英原作は本伝が単行本で全10巻と+外伝が全5巻あるのですが、調べてみると今回は4〜5巻が該当になるだろうとのことでした。銀英はどうやら本伝の5巻で一旦ストーリーが区切られるらしい。だから、とりあえず本伝を5巻までと外伝全部を予習として読みました。確かにカタカナいっぱいだし、人物多いし世界に慣れるまで苦労したけどやっぱりあれだけ支持されている作品だしおもしろかった!そしてさらに、ニカ担から前作*1のDVDを借りていたのでそれを見てみたら「うおおおおお小説の中の人が現実にーーーー!!!」みたいな感動もあって。
そんなわけで、「銀英…oh…」みたいな発表時のテンションから「え、銀英おもしろくない?しかもシュナイダーを野澤くんが演じるとか絶対かっこよくない?コールドウェルな真田くんとか絶対かわいいやつじゃない?」みたいなテンションにまで上がっちゃって、正直「これはやばい…期待しすぎてがっかりするパターンに陥るのでは…」と実際に見るまで逆にびくびくしたりしていました。

で、実際に見た感想としては、舞台自体は正直「うーん…」というところが多く、でも野澤くんのファンとして見ると美味しい場面も多くてなかなか複雑でした。*2原作は!もっと!おもしろいのに!!ってどれだけ言ったかわからないくらい(笑)

ぬんぼにとって今回は初めての外部舞台で、たぶんめちゃくちゃ不安だっただろうなと思うんです。真田くんは演技が好きだ演技をやりたいって言ってるのをよく聞くし実際演技力もあると思ってるけど、じゃあ野澤くんは?って言われると、未経験っていうわけでもないけど正直担当ながら「どうかな…」と思っていて。わたしは野澤くんの演技って自然だと思ってるし好きだったんだけど、例えば過去の少年たちとかえび座とかを見ると野澤くんの発声って舞台仕様というより普通に喋るのに近いから不安だなと思っていました。だから、「自担が初めて外部舞台に出る」っていうことに関して「ウチの子たち出来るんです!(ドヤッ」みたいなリアクションも取れないし、でも自担のことを「出来ない奴」だなんて思ってるわけでもないから、どんなリアクションを取ったらいいのかわからなかったんです。そんな中、雑誌を読んでいたら銀英に出演することが決まったときの感想について野澤くんは「正直不安でこわい」って言っていました。なんだかそれを読んで本当にうれしく思えたし、安心したんですよね。ハッピーーーーー!っていううれしさじゃなくて、じわじわと「ああ、よかった…」みたいなやつ。「この人は、歴史があってファンも多くいる作品に最終章で加わることの重さとか、それに応えることの難しさとかをちゃんとわかってるんだな」って思えたんです。

実際に幕が開いてみたら、なんかもういろいろ心配してたのはなんだったんだろうってかんじでした。発声や演技に対する心配事も役に期待しすぎて高くなっていたハードルも、ひょいっと越えられちゃってこんなのもう「好き」しかないじゃないか。野澤くんの演じるシュナイダーはメルカッツ提督の副官で、メルカッツを強く慕っている役なんだけど、何かある度にメルカッツの方を向いてアイコンタクト取ってて、アドリブとかぶっこまれてもずっと「メルカッツの副官」だったし常にメルカッツのことを一番に考えてるっていうのがちゃんとわかったし、日に日に演技の仕方をいろいろ変えてみてるっていうのも感じました。例えば、宴会のシーンでは最初のころはずっと穏やかに微笑みながら拍手してるだけだったんだけど、日程も後半になると音楽の変わり目に「…?」って顔したり、「これは…何が始まるんです?」みたいなかんじで戸惑って同盟軍の軍人(アンサンブルの人)に話しかけるお芝居とかするようになってたりして。そうすることでシュナイダーの人格に厚みを感じられるようになったからよかったなあと思いました。最初のころのひたすらに穏やかなシュナイダーも大人っぽくて好きだったけど(笑)別に野澤くんのシュナイダーって誰から見ても完璧!最高!きっとみんな大満足!ってわけではないだろうと思うんですが、少なくともわたしにとってはダメ出しとか直してほしいところとかはなかったです。わたしが甘いだけかもしれないけど…(笑)
発声についても、実は1番これが不安だったんだけど、いつも通りいい声で小さすぎず大きすぎず優しくて穏やかで聞きやすくて、わたしはやっぱり野澤くんの声が好きだなって思いました。でも、それって音響さんがマイクでいい感じに調節してくれてたんじゃないの?なんて思ったりしていたんですが(笑)、前楽のカテコで話した声を聞いたら、普段聞くようなちょっと小さめでちょっと早口めだったから、つまりお芝居中はやっぱりちゃんと意識して発声してたってことなんだよね…?と千秋楽後に気付いてひとりでめちゃくちゃ感動したりしていました。遅い。だって、「いつも通りいい声で小さすぎず大きすぎず優しくて穏やかで聞きやすい」って思ったっていうことはつまり声を張ってるように感じさせないような声の張り方を会得してたってことになると思うし。別にわたしは自担の親でも先生でもないから偉そうなことを言うつもりもないし、普段の仕事を頑張ってないだなんて微塵も思ってないけど、でもやっぱりこうやって頑張りとか努力の結果みたいなのを目の当たりにするとすごく感動するしかっこいいなって思うし好きだなって思いました。もう一つ嬉しい意味でびっくりしたのは前楽のカテコ。横尾さんが「今回は後輩も〜」とぬんぼに話を振ってくれて、まあそこからウキウキウォッチング踊れ〜的なグダグダな流れがあったんだけど*3、そのグダグダの流れのまま終わりそうだった時に「みんな〜これからも銀河英雄伝説好きでいてくれるかなー?」 \いいともー!/ で野澤くんが〆たのは本当にびっくりしました。今までもツッコんで軌道修正する姿は見てきていたけど、こういう大事な場面は真田くんのものだと思っていたのに!でも最初にぬんぼに話が振られたときにちゃんと前に出る真田くんと、その場で他人事のように笑ってる野澤くんっていう図は相変わらずだったけど(笑)

なんかでも、千秋楽のカテコで2回目のバンザイの後にガッツポーズしてた野澤くん見たら本当なんかうるっときたんだよーーー!!!顔がとか佇まいがとかそういう表面的なことじゃなくて*4、仕事してる姿として野澤くんはすごくかっこよかったしじーんとくるものがありました。今回の舞台できっと野澤くんにとってたくさん勉強になることがあっただろうし、同世代の役者さんやベテランの役者さんと仕事をすることはいい刺激になっただろうなと思います。メルカッツ役の渡辺さんとは稽古の帰りに車で送ってもらったりもしたらしく、なんていうか「パパと息子」みたいだなあって微笑ましく見ていました。千秋楽では空港のシーンでいつものように帽子を直されるときに頭をそっと撫でてもらってたり、綱渡りのシーンで「シュ…!」ってだけ言うメルカッツに「シュ…?シュってなんですか?」っていつものように笑いながら返したら前まではそこでやりとりが終わっていたのに「シュナイダーのシュ!」って答えてもらってたり、なんか千秋楽は特にメルカッツ提督からの愛情みたいなのも感じて*5なんか嬉しかったなあ。カテコでも自分と同じ同盟チームだけでなく帝国チームの人たち*6とコミュニケーションとったりアイコンタクトとったりしてるのをたくさん見られたのも嬉しかったし、アンサンブルの人たちとハイタッチしたり笑い合ってる姿が見られたのも嬉しかった。「えっ!?うっかり河村さんと肩組んで歌ってるけど、その人すごい人だからね!?!?」って何回問いつめたくなったか(笑)でも、きっと今後のふたりにとって、こういう外部の人たちとの繋がりは強力な武器になっていくだろうから、本当にいいお仕事だったなあよかったなあと思います。

こういう自担にとってある種の「節目」で変化していく姿ををこの目で見届けられたことが本当に嬉しいです。わたしも、これがなかったら苦手意識を持ってるジャンルの銀英をわざわざ読むこともなかっただろうし、青劇に足を運ぶこともなかったのかもしれないって思うと人生って不思議な縁だよなあと思ってしまいます。野澤くんも真田くんも、そしてせっせと勉強して青劇に通ったわたしも(笑)おつかれさまでした!初見では冷静に「銀英舞台における野澤くんの演技」を見ようと思っていたのに軍服が似合いすぎて、更に個人的に大好物のスーツ+ハット+蝶ネクタイなんて格好も見せられちゃって、「やだ…もう本当…かっこいい…こんなはずじゃなかったのに…(´;ω;`)」とただただデロ甘なヲタクになってしまったことが本当に悔しかったです(笑)こんなに「好き好き」言うなんてキャラブレも甚だしいよ!!!

*1:撃墜王」と「輝く星、闇を裂いて」

*2:1幕ラストの宴会シーンは完全に蛇足だと思うけど、ヲタクとしてはやっぱりかっこいい姿を見られるので喜んでしまって、でもやっぱりストーリー上はあのシーンに時間を使うならもっと描くべきシーンはあっただろうと思ってしまう

*3:「えっ?本当に踊る?どうする?」ってアイコンタクト取り合うのんさなはとてもキャワであった…

*4:それはまあもちろんあるけど

*5:もちろん贔屓目はたくさんあるw

*6:主に間宮くん、福山くん、貴水さんなど