中庭の出来事

中庭の出来事 (新潮文庫)

中庭の出来事 (新潮文庫)


これ本当すごかったああああ!言ってみれば劇中劇形式のミステリなんですが、普通の劇中劇ものみたいに外の話があって途中に内の話があるっていうわけじゃなくて、それぞれが目まぐるしく入れ替わって次第にこれが外の話なのか内の話なのか、さらに内の内の話なのか…っていうかんじで、本当にもう何がなんだかってかんじになって(笑)どこに視点を置いて読むべきなのかとかだんだん頭の中では整理できなくなっていくんだけど、もともとそういう入れ子式のお話は大好きなので読んでて楽しかったです。しかも全編通して恩田さん独特の優雅さと湿っぽさがあったので、難しいけどずっとその不思議な雰囲気に浸っていたいってかんじでした。でも苦手なひとは本当に苦手そう(笑)「夏の名残の薔薇」みたいだなーって思いました。それよりずっと混乱したけど(笑)

ちなみに、結末についても割と満足です。確かに作中でも触れられてたように解決されないまま残された謎も多いけど、大筋はきれいにまとめられてたというか、自分の好きな方向にまとめられてたというか。


それにしても本当に後半は頭が混乱しちゃってて、でも早く続きが読みたい!って急いでしまったので、いっぱい大事なことを大事と思わないまま読んでしまったような気がします…。もったいない。時間ができたら、解説者の方がされてたように3色使って整理しながら読み直したいです。