サヨナラはまだ早いから

11/1のデビュー日にアップしようとしてたんだけど、やっぱりどうしてもポエミーになっちゃって恥ずかしいからやめてたやつ。せっかく書いたんだからやっぱりこっそりアップしてみるね……



わたしが生まれてはじめて好きになったアイドルは、わたしがはじめて生で見たアイドルで、つまり、わたしがはじめてコンサートに行ったアイドルでした。
テレビのチャンネル数も多くない地方で生まれ育って、いわゆるジャニーズの番組のようなものは全く見ることができなくて、ジャニーズという存在自体も知らなくて、そんな中でドラマで見かけた人を好きになった。近所の本屋さんをウロウロしていたらその人が載ったアイドル雑誌を見つけて、おこづかいのほとんどを使ってその雑誌を買った。それが始まりでした。しばらくして「そんなに好きなら」と母親がコンサートのチケットを取ってくれた。「コンサート、楽しかった!」と言っていたら、お年玉から年会費を差し引くという形でファンクラブの入会手続きをしてくれた。それが、わたしの今に繋がっています。

ジャニーズという存在を理解して、ほかにもいろいろな人を見ていくうちに「担当」という言葉を知って。わたしはV6のメンバーを「担当」の枠に当てはめたことがありません。もちろん、そうしてみようかと考えたことは何度もあったし、それはここ数年の間にもありました。でも、しなかった。「担当」にするには自分の気持ちが大きすぎてその言葉では背負えないと思ったし、「担当」という概念*1はわたしの気持ちとはあまり合わないと思ったからです。言うならば、実家のよう。ふと立ち止まり振り返ったらいつでもそこにいてくれて、それがすごく安心する。好きでいることなんて当たり前の存在。そこはたまらなく居心地がよくて、愛しくて、だから、V6の6人には幸せでいてほしい。


好きでいることも存在していることも当たり前すぎて、あの6人が6人組じゃなくなるなんて可能性は考えたこともなくて、解散説みたいなものが流れても「絶対大丈夫だよ」と何の根拠もなく思っていました。それはまるで家族のようなものだなあと感じます。楽曲もコンサートも「おもしろくない」と感じてしまうようなちょっとした反抗期もあったりして、でもそれを越えてからは愛しさばかりが深くなっていったんですけど、やっぱり彼らはいつまでもそこに存在していることが当然だという考えは変わらなかった。
ああでも、そんなのって全然当たり前じゃなかったんだなあ、というのが20周年でわたしが得た最大の収穫だと思います。気付くの遅い……。でも、気付かなかったんだもん。6人は「続けられたのはファンのおかげだ」とたくさん言ってくれたけれど、本人達が「こんなのもうやめにしよう」とそれこそ「ビールの泡みたいに消えてしまうことだって」できたんですよね。それを今まで守ってくれていたのは6人自身だったんだなあ、ってようやく気付いたらもっと愛しくなった。だから、やっぱり6人には幸せでいてほしい。


「笑っていてほしい、と言われてから変わった」と岡田くんは代々木での挨拶で言っていて、やっぱりわたしはこの人が好きだなあと思いました。「俳優に揺れたときもあった」「グループに対して反抗期のようなものがあった」そうやって話してくれるから、岡田くんはすごくリアルな人だなあと思います。「気付けなかったんだ、若さのせいかな 目の前の情熱で互いの優しさが見えなくて」「僕を変えてくれた人 優しさを教えてくれた人」6人が20周年のために作詞した曲の中で岡田くんが携わった部分は何度聞いても泣いてしまって困ります。揺れていた時期を経てたぶん岡田くんなりの結論を出して覚悟を決めたのだろうということは、なんとなくだけれど伝わっているし、その結果がメンバーへの愛なのだとしたら本当にうれしい。わたしが生まれてはじめて好きになったアイドルはやっぱりとても素敵な人です。

「あなたの人生の中にV6を入れてくれてありがとうございます」と剛くんはパンフで言っていました。剛くんはいつも言葉数が少なくて、シンプルな分とてもストレートにひびく。V6を好きならきっとだれもが森田剛を好きなはずだ、といろいろな人が言うけれど、もちろんわたしもその例から漏れずにいます。シンプルでブレなくて圧倒的なカリスマ性を備える人。メンバーからもファンからも印象が相違ないのがその証拠だと思います。そんな人がコンサート終盤の挨拶で「コンサート、楽しかったですか?…楽しかったよねえ」って優しく懐かしそうに愛おしそうに言ってくれたのがすごくうれしかった。バリバリBUDDYの後半で外周に散らばったメンバーがメインステに戻ってくるときに、いつも最初に戻ってきてど真ん中でぴょんぴょん飛び跳ねている姿を見るのが本当に好きでした。無邪気で優しくて大人っぽくて子供っぽい。そんな素敵な人が「V6を守っていきたい」と言ってくれているなんて、そんな心強さは他にない。

「此処から」の中の自身のパート「感謝なんてしないけど 此処からいなくならないで」はメンバーに対して歌っているのはもちろん、ファンに向けても歌っていると健くんがパンフの中で語っていてとてもびっくりしました。健くんのことを好きな人はみんな、ファンとしてとても大切に思われているという自負はあるだろうと思うのだけれど、そんな風にお願いしてもらえるようなレベルの存在では決してないと思っていたから。だから、コンサートで聞く「此処から」ではほとんど毎回泣いていました。6人のメンバーのだれ一人としていなくならないでほしいというのはファンとしては当然の願いなのだけれど、それと同じようにファンのことを思ってくれているとしたら。わたしがいつも目で追ってしまう人は、とてもかわいらしくて男っぽい優しい大人です。そんな人が言ってくれる「今日のみんなもすっごく可愛かった!」「なるべく間をあけずにコンサートをやりたいですね」は説得力があった。

こんな調子で続けていたら長くなるから端折るけれど、「30周年、40周年でも踊っていたい」と言ってくれる坂本さんも、「20年ステージに立ち続けられたのはファンのおかげ」とくり返し言ってくれる長野さんも、「ファンの人にはいつも笑っていてほしい」と言ってくれる井ノ原さんも、本当に素敵で優しくて好きだなあと改めて感じていました。公演中、何度も何度も泣いてしまっていたんですけど、それがぜんぶ嬉し泣きだったのが本当に幸せだなあと思うんです。ファンをぐわっと包み込んで、そのまま未来を見せてくれたことがたまらなくうれしかった。20年続いたことは当然じゃない、ということを知ったばかりのわたしに「でも、これで終わりじゃないよ、まだまだ続いていくからこれからも一緒だよ」って伝えてくれたことが本当にうれしかった。わたしが大好きな人たちが、お互いを好きで大切に思っていることがうれしかった。うれしいなあ、大好きだよ、ありがとう、って思っていたら、それ以上のありがとうで包んでくれた。渡辺担のわたしが言うと、誤解を生むかもしれないけれど、それでもあえて言うとしたら、間違いなく世界で一番愛しい6人組です。


いろいろ書いてみたけれど、たぶん後で読み返したらもっともっと書き足したいことが出てくるんだろうなあ。それが20周年の重みなんだろうなとも思うけれど。でもまあ、たぶん一番心にあることというのは、時間をかけて考えたりしなくてもスッと素直に出てくる言葉で、いろいろと考えて飾ってみても結局はそれが真理なんだと思います。

実は今回のツアーのためにファンクラブサイドが用意してくれたリボンメッセージ企画がありました。赤白のリボンにファンがメッセージを書いてそれを回収する。メンバーには内緒*2。だから、ネットなどにも拡散禁止。ツアー初日には何を書こうか考えておかなければ、と思っていたのに、いざその一週間後に自分がコンサート会場へ向かう立場となったときにはそんなことはすっかり忘れていて、グッズを買いに行ったときにその特設テントを見つけてようやく企画のことを思い出しました。だから頭の中では言葉がまだ全然まとまっていなくて。ペンを持って赤のリボンを見つめて「うーん」としばらく考えて。そこでパッと浮かんだ言葉をそのまま書いたのだけれど、たとえ時間をかけて言葉を選んでも結局はそこに行き着くんだろうなと思います。シンプルにわたしの中に在り続ける想いはとても簡単なもので。

18年間、わたしの真ん中にい続けてくれてありがとう。
20年間、続いていてくれてありがとう。
これからも、ずっと、よろしくね。

*1:その定義はわたしが決めているものではあるのですが

*2:でも、名古屋ではアリーナ席入り口のまん前に特設会場が設置されてて笑ったw 「メンバーには内緒です!」という看板がまる見えだった