天高く その翼で

SHOCKといふものを見てみむとて見るなり、的なかんじで人生で初めてSHOCKを観劇しました。

SHOCKといえばジャニヲタ界では超有名な舞台で*1、階段落ちがあって殺陣があっていっぱい踊ってすごいショーで、チケットも取れないしジャニヲタだけじゃなくて芸能人とかも見たがるらしい、みたいな漠然としたイメージしか持っていませんでした。見てみたいとは前から思っていたけれど、「いつか行ってみたいな~」みたいなぼんやりとしたものでした。いつか見てみたい、でもだからと言って具体的にチケを取ろうと動いたりはしない、っていう。それが一気に現実的なものになったのは、野澤くんが出演すると知ったからでした。知ったときにはわたしはすでに野澤担を降りた後だったけれど、でもそれまでずっと一番に好きでいた人がこんなすごい舞台に出るなんて、見ないという選択肢はない。それで初めてSHOCKの世界に触れたのが2月の下旬でした。

SHOCKといえば、前述の通りすごくたくさん踊るイメージがありました。SHOCKに通っている友人たちから「SHOCKに出たことで踊りの癖が矯正された」なんて話を聞いたこともありました。たくさん踊る場面のあるステージが大好きで、しかも野澤くんのダンスも好きなわたしはとてもとても楽しみでした。わたし自身はダンスをしたことがないし、特に詳しいわけでもなく、ただ踊っているところを見て「この子はこういう振り付けのときにはこういう角度になる癖があるっぽいな~」とかそういうぼんやりとしたことをぼんやりと思うだけです。それでも、野澤くんにもなんだか癖があることはわかっていたし、今回の出演を機にそれが精鋭たちのもとで鍛えられるなんて楽しみでしかなくて。
SHOCKは過去にDVDが出ていたりして、予習しようと思えばいくらでもできたのだけれど*2野澤くんのいるSHOCKをわたしにとってのファーストコンタクトにしたかったし、野澤くんを通してSHOCKの世界に入りたいと思っていたので、劇場で見たのが本当に初見でした。あらすじさえもよくわかっていないような真っ白の状態。

今回から新加入である野澤くんを通しての観劇だったので、もちろん例年との比較なんてできないし、1度しか見ていないからストーリーを噛み砕いていろいろと考察することもできません。それでもそんなわたしが野澤くんについてすごく好きだったシーンは一幕後半のジャパネスクでした。悪い顔をする野澤くんというのに昔から萌える性質なのですごく興奮したし、鉄砲をぶっ放った後にあんなに大口開けて心底楽しそうに笑う演技については今思い出しても震えるくらいにゾクゾクしました。それから、単純に舞台として見るならば二幕冒頭のシェイクスピアのシーンがすごく好みのものでした。噂の階段落ちも見た。「満天の星よ!大地よ!」のセリフも聞けた。ずっと「どうやらすごいらしい」という漠然としたものだったSHOCKを自分の身をもって体感できた。でも、正直に言うと、観劇後に残ったのは少しモヤモヤとした気持ちでした。

わたしは野澤担だった頃、彼のダンスがすごく好きでした。万人が見て「きれい」とは言わないかもしれないけれど、長い手足のその先まで気を配り決して手を抜かないところが好きでした。これはわたしのブログなのでわたしの主観丸出しの話をしますが、SHOCKで見た野澤くんからはわたしの好きだと思っているところがあまり見られなかったような気がします。もちろん、今まで踊っていたものとダンスのジャンルが違うのかもしれない*3とかそういう諸々の事情があるかもしれません。でも、わたしは少し「窮屈そうに踊るなあ…」という印象を抱いてしまいました。もちろん、シーンによっては「これこれ!これだから野澤くんのダンスが好きなの!!」って思ったところもあります。もしかしたら、最初に書いたように精鋭たちのもとで鍛えられたものすごい姿を見られると勝手に期待しすぎたというのもあるのかもしれません。

こんなに野澤くんに贔屓目満載のわたしでさえ「大丈夫かな…」と思ったことは否めないので、ずっとSHOCKを見続けている方たちも大満足しているとは(残念ながら)到底思えないけれど、でもやっぱり「無駄」とか「追加する必要なかった」とかそこまでは言いたくはない。やっぱり好きだからかわいいし庇いたいんです。新たな風を入れたことで自分の好きな作品が「完璧」ではなくなってしまったというのは、その作品が本当に好きだからこそ腹立たしくて切なくて悲しい、というのはもちろんわかります。わたしだってその立場に自分が立たされたらきっとそうなる。でもだからといって人間のすることなのだから「不変でいること」は難しいことで。だからそれに対応するために新キャストを投じたのだと考えるならば、今まで見続けてきた作品のファンの方にも受け入れられるようなところまでの成長と、受け入れようと心を閉ざさないでいてもらえることを願います。さっき「期待しすぎたというのもあるかもしれません」と書きましたが、だからと言って今後の野澤くんに対して期待しないなんてそんなことわたしにはできないし、したくありません。野澤くんに対してハードルも下げたくない。ああ、だめだなあ、感情的になってしまう。つまりわたしはそれくらいに野澤くんを信頼しているし、野澤くんのさらなる成長を願い信じたいと思います。

*1:SHOCKが始まったときにはすでにジャニヲタだったから一般の人にも有名なのかはもう判断できない。つらい

*2:実際「見たいなら貸すよ」と言ってもらえていた

*3:詳しくないから推測でしか話せない…